ごろごろ

ゆるい雑記。

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裁判員裁判経験者の選ばれた心境や体験談

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2012年の夏

 

裁判員裁判に選任されたことがありました。

 

事件の詳細に触れない範囲で体験談を伝えることは可能だと言われた記憶がありますので、せっかくの数少ない経験談をこちらに記そうかなと思いました。

 

裁判員裁判、もし選任手続きの呼出状なんか届いたらどういう心境か。

 

  • そもそも何をするのか不安
  • 裁判という言葉だけで不安
  • 法律分からないので不安

 

安心してください。

裁判官の皆さんがその不安を確実に払拭してくれます。

 

他の方の体験談を見聞きしても同じようなことを言うので間違いないですよ。

 

それではここから呼出状が届いて以降の流れや体験談、心境などを一項目ずつ分けて書いていきます。

 

 

 

 

裁判員裁判の大まかな流れ
 

裁判員の選出

裁判員候補者は選挙人名簿に基づき無作為に選ばれます。
候補者には通知が送られ、裁判所での説明会に参加します。
裁判所で裁判員が選ばれます。

 

裁判の開始

裁判は公開で行われ被告人、証人、検察官、弁護人などが出席します。
起訴内容の説明、被告人の自己紹介、事件の概要説明が行われます。

 

証拠の審理

証拠が提示され、検察官と弁護人がそれぞれの主張を展開します。
裁判員や裁判官が証人に質問をすることができます。

 

被告人の最終意見陳述

裁判の最後に被告人が自身の意見を述べる機会が与えられます。

 

評議と判決

裁判官と裁判員が非公開で評議を行います。
評議では有罪か無罪か、罪の重さを決定します。
最終的な判決は法廷で公開されます。

 

 

裁判員等選任手続 

筆者が裁判員に選出された当時の平成24年のデータから…

 

全有権者の8700人に一人、確率にすると0.01%で選ばれるようです。

 

最初は裁判員等選任手続きということで画像のような書類が届き、選任手続きをするため指定の場所へ来てくださいと郵便が届きます。

 

 

これには基本的に拒否はなしとなっております。

 

紙の下に書いてありましたが、

正当な理由なく呼び出しに応じない時は10万円以下の過料に課せられることがあります

 

という絶対に来てくださいねと受け取れる一言も添えられています。

 

ただし、法律で認められる事情がある場合は辞退できます。

 

  • 70歳以上の人
  • 学生・生徒
  • 過去5年以内に裁判員・補充裁判員を務めた人
  • 過去1年以内に裁判員候補者として裁判所に行ったことのある人
  • 過去5年以内に検察審査員・補充員を務めた人
  • 裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人

 

「やむを得ない事由」とは。例として

  • 重い病気や怪我
  • 親族又は同居人等の介護・養育
  • 父母の葬式等,他の期日に行えない社会生活上の重要な用務
  • 事業上の重要な用務であって自ら処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがある人

 

選任手続きの呼出状が届いた段階では裁判員になったという確定ではありません。

 

選任手続き当日

・指定の裁判所に行き手続き開始

・選任はくじで行われました。

 

私の時は50人以上いる中から選任することになり、くじにより裁判員が6人が決まることになりました。

 

その際、補充裁判員も決まります。

 

そのくじで見事に裁判員確定となりました

 

※補充裁判員とは裁判員に欠員が生じた場合にその裁判員に代わる裁判員です。

 

裁判員選任後

はっきり言うと何をするのかよく分からず不安しかありません。

 

会社に休まなくてはいけない旨を話すと

「前例がなく前例を作るサンプルとしてがんばってきください」

と背中を押されました。

 

家族、友人も皆「がんばってきな」と声をかけてくれました。

 

それでも不安です。

 

だって何も分からないド素人ですし…不安なのも仕方ないですよね。

 

裁判の流れ

 裁判員に選ばれたら,裁判官と一緒に刑事事件の審理(公判)に出席します。公判は,できる限り連続して開かれます。


  公判では,証拠として提出された物や書類を取り調べるほか,証人や被告人に対する質問が行われます。裁判員から証人等に質問することもできます。


裁判の流れは,以下のとおり行われます。

 

ア 冒頭手続
・被告人の確認(人定質問)
・検察官による起訴状朗読
・被告人と弁護人から起訴状に対する言い分を聞く(意見陳述)


イ 証拠調べ手続
・検察官,弁護人が証拠により証明しようとする事実を述べる(冒頭陳述)。
・検察官,弁護人が提出した証拠物や証拠書類の取調べ,証人や被告人への質問を行う(証拠調べ)


ウ 評議・評決
・裁判員と裁判官が証拠に基づき,被告人が有罪か無罪か,有罪だとしたら,どんな刑にするのかを検討し,決定します。


エ 判決宣告
・評決の結果を裁判長が宣告します。

 

出典 : 裁判員制度について さいたま地方検察庁

 

 

 

公判に出席

 

裁判員に選任されて参加するのはこの公判手続きからになります。

 

たしか最初1分間、メディア向けの写真撮影があります。

よくニュースで見る裁判官が鎮座しているシーンを写真や映像に撮るアレです。

 

裁判員も鎮座することになります。

 

冒頭手続、証拠調べ手続き

事件によってはグロ画像をモロに見ることもあります。

 

「現住建造物等放火罪」だったため黒く焼けた遺体を見ました。

今でもしっかり記憶に残っています。

 

「苦手な方は見ないようにしてください」

というような一言があり、配慮はしっかりとされていますので安心してください。

 

しかし人を裁くわけですから、しっかり見なくてはという意識のほうが強く目を背けることなどできずに頭を整理していきました。

 

あまりにもキツい事件で被告の心情を聞くと理解できる面もあり、心が持っていかれ涙が出そうにもなることもありました。

 

慣れていて毅然としているような検察官の方も時々声を詰まらせるようなシーンもあり、そのような悲しい事件でした。

 

検察官はそういう感情を裁判で見せないものだと思ったのですが、違ったようです。

 

評議・決議

公判後は評議・決議をするため会議室みたいな場所で行いました。

 

  • 評議期間中、一切の外出することは禁じられます。
  • 昼食は裁判所が豪華なお弁当を用意してくれました。
  • 喫煙も外から見えない指定の場所で喫煙をするように指示されました。

(2023年現在は喫煙場所があるのかどうかは分かりません)

 

被告の仲間から脅しや金銭授受などが起こり得るためという説明を受けました。

 

 

さて、本題です。

 

公判で出た資料や証拠、証言などを元に評議します。

 

評議は当然法律上の言葉が飛び交い、素人の裁判員にはちんぷんかんぷんです。

 

☝️難しい言葉が出たり、こまめに分からなかったところはないか裁判官の方が丁寧に確認して分かりやすく説明してくれます。

 

☝️裁判官は法律が分からない裁判員の意見を尊重してくれるような問い方をしてきますので、皆と違うことを言った時も丁寧に法律上の解説をしてくれます。

 

 

1日では終わらないので翌日も同会議室で続きが始まります。

あらゆる方向性から見て無罪、有罪、刑の重さを決めていきます。

 

この評議期間は頭が疲れ、気持ちも疲れますのでとても長く感じるかも知れません。

 

判決宣告

 

よくテレビドラマなどで見ますよね。

 

主文 → 理由

 

の流れのやつです。

 

判決が読み上げられ、被告とその家族がボロボロ泣いていたのを見た瞬間

「やりきった」という安堵感が一気に込み上げてきたのを覚えています。

 

最終日はそれほど時間もかからずすぐに終わるような感じでした。

 

裁判員裁判終了して

裁判記念グッズみたいなものをいただきました。

 

まずはお礼状

 

そして裁判員グッズ

 

最後は裁判官の方が近くのバス停まで見送ってくれました。

 

気になる日当

裁判員候補者の段階で1日あたり8000円以内

 

裁判員及び補充裁判員に選ばれた方は1日あたり1万円以内

選任手続や審理等の時間に応じて決められます。

 

会社からは有給ではない公休も取れるので良いおこずかいになりました。

 

 

 

あとがき

不安なことは多いですが、すべて裁判官の3人がしっかり導いてくれるので何も心配することはありません。

 

「人を裁く」という、一般人では一生のうちにまずない経験をできるのでとても有意義な経験となることでしょう。